時間の余裕がないから、といっても、スピーチの連続では変化に乏しいので、列席者の目や耳を楽しませ、くつろがせる余興も少しは欲しいところ、それもプロの芸人よりも、友人たちの歌、コーラス、ウククレ、ギター、バイオリン、琴、三味線など自慢の芸を披露する友情出演のほうが楽しいでしょう。また、勤め先の重役さん、年配のご親類が婚礼につきものの謡曲「高砂」のひとふしをお祝い芸に披露することもあります。曲目はすべておめでたいもの、明るいものを選んで、別れや涙をテーマにした曲は不吉ですから避けなければなりません。また、下品な歌もこういう厳粛な新しい人生のスタートにはふさわしくありません。両親へ感謝の花束贈呈。披露宴に美しい花はつきものです。まして花車はあたたかい心のあらわれとして、披露宴に欠かすことはできません。同僚や、学校時代の友だちから花嫁へ花束が贈られる例はよく見られますが、花嫁は自分の席のところで立って花束を受け取ります。そのあと、感謝の心をこめて握手すれば、列席の目にも友情の美しさがうつることでしょう。最近の披露宴は、新郎新婦から両親へ感謝の花束を贈呈する行事が組み入れられていることか多いようです。ともすれば若い人中心になりがちな披露宴では、両親にライトをあてるところに深いあじわいがあってよいと思います。両家の両親が下座に並列したところで新郎新婦がメインテーブルから立ち、式場係から花束を受取ってメロディーの流れるたかをそろって両親のほうに近づきます。新郎は新婦の両親の前に、新婦は新郎の両親の前に立って同時に一礼し、感謝の心をこめてそれそれ相手方の母親に花束を渡します。そして、そのあと手をさしのべて握手すると一層心が通じ合うでしょう。ときには、花束をあげますという恩着せがましい態度でそっけなく手渡す新郎新婦も。そんな態度ではせっかく花束を贈呈しても何の意味もありません。