いまの三〇歳代以下の世代の人たちの考え方、行動規範を十分認識したうえで、新しい組織体を作っていくことを前提として、手が打たれていることは少ない。特に、保険会社のトップの方には営業出身者が多く、定量的な分析を行ったものに基づくようなアプローチよりも、むしろ精神論的な観点から変革を進めていこうという傾向が強いように感じられる。人の側面、組織の側面についての作戦があまりうまくなく、新しいことを始めようとしたときに思いどおりにいかないケースが多いようである。営業のコンサルタント化といった、営業のやり方を変えるようなことを経営目標として掲げたとしても、いま現在の組織形態とそこにいる人たちを、どんな手段でどのように変えていくかがうまく計画され、マネージされていない、という場合が非常に多い。保険会社の場合、いま営業の先端の人たちの機械装備化を進め、営業の人たちの行動を変えていこうという動きがある。しかし、営業の行動の仕方を変えさせるにあたっては、営業マンを指導する側の指導の仕方を変え、教育の仕方を変えることが必要になる。一つのことを実現するためには、いろいろな側面から手だてを打たなくてはならないのだが、どうもこのあたりがうまくいっていないようである。その原因の一つは、客観的にものを見定めたうえで、どのぐらいのレベルで何をやっていったらいいのかを、十分に把握していないという点にある。
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