経営基盤の強化と国内外の競争力が向上する

2011.08.22

昭和三十六年に、常務を筆頭とする「自動車事業懇談会」が設立され、新型車開発計画や販売体制、設備投資などの問題が論議され、ようやく自動車メーカーらしい体制が整った。このあと、後述するように、三十九年六月の三重工合併による新しい三菱重工の発足となり、同時に自動車関係を一括して自動車事業部が生まれるが、三菱500にはじまる新三菱重工晩年期の三自動車製作所による商品開発は、乗用車系に限っても次のようにかなりのものであった。昭和三十五年三菱500、小型バス「ローザ」三十六年三菱360ライトバン、三菱500スーパーデラックス、三菱360ピックアップ、三十七年コルト60〇、三菱ミニカ、三十八年コルト1000、同バン、三十九年デボネア四十年コルト500、同800。このほかスクーター、ジープ、バスボデーを数種手がけており、現在の何分の1かの陣容で、たいした試験設備やコンピュータもなしに、今よりずっと短期間で開発を終え、そのうえ生産の立ち上りが早かった。だから、「内・外各種の事情に大差はあるが、今日の技術開発部門としても学ぶところが多いに違いない」とするM氏の意見は、耳を傾けるに値するものがあるのではないか。失意の自動車事業部長戦後の財閥解体を目的とした過度経済力集中排除法によって、旧三菱重工は昭和二十五年一月に三分割され、東日本重工、中日本重工、西日本重工が生まれた。前述のように、もともと、一つの会社だったのが占領軍の方針で分割されたものだけに、三社の合併は二重投資を避け、人材、技術、設備を結集して生産合理化や技術の向上、営業面の強化をはかることができ、それによって、経営基盤の強化と国内外の競争力が向上するなど、そのメリットはきわめて大きい。

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